PL学園出身で、元広島カープのエース、
現在はロサンゼルスドジャースで活躍する前田健太投手(通称マエケン)が
書いた本「ゆとりの美学」を読みました。
まずこの「ゆとりの美学」という野球本とは思えないタイトルについて。
マエケンは1988年生まれ。
いわゆる「ゆとり世代」に生まれ育った人間です。
現在社会では「ゆとり」という言葉に対してネガティヴなイメージが強くなっていますが、
マエケン投手は「余裕がある」「窮屈でない」などの前向きなイメージを込めて、
このタイトルをつけたそうです。
この本を読んで印象的だったのが、
マエケン投手がいかに余裕ある状態を作り出そうとしているか。
ピッチャーというのは、かなりのプレッシャーがかかるポジションです。
そんな中でパフォーマンスを発揮するために、
マエケン投手はルーティンをとても大事にしているそうです。
ルーティンを知らない人のために簡単に説明すると、同じことを継続してすること。
野球界ではイチロー選手が毎日カレーを食べる、
またはバッターボックスに入るとピッチャーに向かってバットを立てるのが有名ですね。
マエケン投手のルーティンは
試合前日から
①コーヒーを買う
②晩ご飯を食べる
③お風呂
④ヒゲを剃る
⑤ストレッチ、治療
⑥相手チームのデータ整理
⑦同じパジャマ、下着を着て就寝
試合当日は
⑧試合7時間半前に起床
⑨昼食(奥さんの豚肉のあんかけ丼を食べるそうです。)
⑩お風呂、トイレ掃除
(以下省略)
といった感じで、
とにかく同じ流れで試合にのぞむことを
大事にしているそうです。
野球をしている人だけでなく、ビジネスマンにも参考になる
ルーティンのお話ですね。
話は変わりますが、
この本には黒田投手やイチロー選手などの逸話がたくさん紹介されていますが、
感動的だったのはダルビッシュ投手との話。
2010年の交流戦、日本ハムのエースだったダルビッシュ投手は、
マエケン投手がバッターボックスに入ると、
意図的に自身の全球種を投げたそうです。
ダルビッシュはその後、自身のブログにて
「全部ではありませんが、僕の持ち球をほとんど投げさせてもらいました。前田君にはセ・リーグを代表するピッチャーになってもらいたい」
と書きました。
これはもうマエケンはおいといて、
ダルビッシュはなんて立派な人間なんだと涙。
以上、本の感想でした。
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